サポーターからは不安の声
日産自動車と三菱自動車は12日、日産傘下で三菱自動車の再建を目指す資本業務提携に基本合意した。
Toshifumi Kitamura / AFP / Getty Images
日産はマリノスの運営会社の株を74.59%を保有、三菱自はレッズの運用会社の株を50.63%保有している筆頭株主だ。
今回の合意により1つのオーナーが2つ以上のクラブを支配することを制限するJリーグ規約の第25条に抵触する可能性が出てきた。
<Jリーグ規約 第25条>
(4)Jクラブは、他のJクラブの株式 (公益社団法人または特定非営利活動法人にあっては 社員たる地位 )を保有してはならない。なお、当該他のJクラブの重大な影響下にある と判断される法人の株式(社団法人または特定非営利活動法人にあっては社員たる地位) についても同様とする。
(5)Jクラブは、直接たると間接たるとを問わず、他のJクラブまたは当該他のJクラブの 重大な影響下にある法人の経営を支配しうるだけの株式(社団法人または特定非営利活 動法人にあっては社員たる地位)を保有している者に対し、自クラブまたは自クラブの 重大な影響下にあると判断される法人の経営を支配できるだけの株式(社団法人または 特定非営利活動法人にあっては社員たる地位)を保有させてはならない。
Via jleague.jp
両クラブのファンからは不安の声
規約に株式保有率など具体的な数値は書かれていないが、日産が三菱自の筆頭株主となったことでこの規約に抵触する可能性が出てくる。
レッズとマリノスはともに創設時からJリーグに参加する「オリジナル10」と呼ばれる伝統あるクラブで、リーグ有数のサポーターを抱える。特にレッズは今季リーグで首位に立っている国内最大のビッグクラブだ。
規約に抵触すると判断された場合、両クラブの合併、またはどちらかのクラブの株式が売却される可能性がある。売却となれば親会社が傘下となったレッズの株式が売却されるのが自然だろう。
現在クラブの株式を保有する三菱商事、三菱重工などが持ち株の割合を増やし、筆頭株主となれば、「浦和レッドダイヤモンズ」の名前は残ると考えられる。ただし、他企業へ売却となればレッズの名前が消滅するかもしれない。
Jリーグの村井満チェアマンは12日、サンケイスポーツの取材に「34%の株式取得で関連会社になるが、その場合、規約に抵触するのかどうか、弁護士にも相談しないといけない」と、現状のままでのレッズ存続の可能性にも言及しているが、レッズサポーターにとっては不安は募るばかりだ。
Jason Reed / Reuters